最近、自宅で音声録音をする機会が増えてきた。いままでは安物マイク(SHURE C606)をアナ→デジ用に買ったオーディオインターフェース(TonePort UX1)につないで済ませていたが、そろそろそれなりの機材を揃えることにした。宅録に詳しい弟のアドバイスをもとに、マイクはMXL 2003Aに決定した。
ヴィンテージマイクのダイアフラムをモデリングしているとかで、どちらのレビューでもすこぶる評判がいい。早速注文しようと思ったのだが、考えてみたらこのマイクを使うためのファンタム電源が手元になかった。うむ〜…こんなことになるならUX1じゃなく、ファンタム電源搭載のUX2にしておけばよかった…。
ファンタム電源を導する方法としては…
1. ファンタム電源を買う。 2. マイクプリアンプを買う。 3. ファンタム電源対応のI/Fを買う。
…ぐらいだろうか。最初は1で済まそうと思っていたのだが、ここでふと疑問が湧いた。
そもそもTonePort UX1で大丈夫なんだろうか?
購入からかれこれ7年。最新モデルのI/Fは、もしかして劇的に音が良くなってたりするんじゃないか。そうしたらアナ→デジの音質も向上できるんじゃないか。そんな期待を含んだ物欲とともに、UX1よりワンランク上のI/Fを物色するうちに、ひとつ良さげなアイテムを見つけた。
STEINBERGブランドのヤマハ製I/F、UR22。ファンタム電源+プリアンプ搭載、24bit/192kHzでステレオ入力可能、CUBASE AI が付いてこのお値段!(なんかTVショッピングみたいになってきた) これは試してみるしかない!
ということで、マイクは後回しにして、とりあえずUR22を先行購入することに。お得意の本末転倒ショッピングである。
* * * 届いたUR22は、堅牢な印象のメタルボディ。サイズの割に結構な重さで、ツマミもしっかりしている。中身がスカスカでツマミがおもちゃみたいなUX1と比べるとかなりの上質感。これはなかなか期待が持てそうだ。早速アナ→デジ音質を確かめてみると…。
ふむふむ、透明感のある綺麗な音だ。
UX1よりも音が濃い感じがするな。
ピアノやストリングスの音もよく響いてる。
やっぱりUX1よりワンランク上なんだな。
よし!買い物成功だ!
満足した僕は、UX1と比べるのをやめて、UR22でアナ→デジした音楽を普通に鑑賞しはじめた。そしてふと気づいた。
あれ?でもなんだか…楽しくないぞ?
耳を傾けて一つ一つの音を聴くと確かにいい音なのだが、リラックスして音楽を聴くにはどうも堅苦しい感じがする。妙に生真面目というか、お行儀がよくて、グルーヴみたいなものが聞こえてこないのだ。
もう一度、UX1でアナ→デジした音を聴き直してみる。なんでだろう。やっぱりこっちの方が気持ちがいい。UR22と比べて多少あっさりはしているけど、音像により奥行きがある。広がりもある。パーカッションの軽快さとかもいい。聴き慣れていることや、オーディオとの相性もあると思うけど、個人的にはUX1の勝ちだ。
* * * そんなわけで、今回の買い物は成功とは言えないものの、UX1の性能が意外に悪くなかったということが確認できた。いままでのアナ→デジ作業が無駄にならなかったのだから、それはそれで嬉しいことではある。UR22は、MXL 2003A専用I/Fとして活躍してもらうことにしよう。プリアンプとCUBASEを1万5千円で買ったと思えばいい。それでも十分お値打ちなのだから。
そしてようやく、MXL 2003Aを注文。ずいぶん時間がかかってしまったが、無事新しい宅録環境が整った。まだお試し録音程度だが、MXL 2003A+UR22の第一印象は上々。SHURE C606+UX1と比べたら、ずっとクリアで、リアルな音が録れるようになった。さあ、これからCUBASEのお勉強だ。イマイチ使いこなす自信はないけど、頑張ろ。

Nori --
snappiさん、こんにちは
自分も趣味でE・ギター弾いたりして、音楽には興味ある方なんですが
近頃は「ハイレゾ」なんて物が氾濫して、それを聞くための機材がどうのこうの・・
Macとの相性は・・とか、雑誌で読んでも、結局は実際に聞いてみないと
分からないですもんね。特に音関係は、主観も評価の要素に加わってくるから。
snappiさんの様に仕事に関わってくると、もっと大変でしょう???
snappi --
こんにちは。>Noriさん
音の世界は本当に難しいですね。
評判が良くても自分の好みではなかったり、その逆だったり。
音源だけでなく、機器のマッチングも大事ですしね。
なんだかんだと試行錯誤するのが楽しいといえば楽しいんですが、
この頃少しめんどくさくなってきました(笑)
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